老いぼれボンドの重厚さ、魅力/『007 スカイフォール』

007 / スカイフォール (字幕版)

監督
サム・メンデス

脚本
ジョン・ローガン
ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド

製作
マイケル・G・ウィルソン
バーバラ・ブロッコリ

製作総指揮
アンソニー・ウェイ

音楽
トーマス・ニューマン

主題歌
アデル「スカイフォール

撮影
ロジャー・ディーキンス

編集
スチュアート・ベアード

上映時間
143分

登場人物
ジェームズ・ボンドダニエル・クレイグ
M(ジュディ・デンチ
ラウル・シルヴァ(ハビエル・バルデム
ギャレス・マロリー(レイフ・ファインズ
イヴ(ナオミ・ハリス
セヴリン(ベレニス・マーロウ
キンケイド(アルバート・フィニー
Q(ベン・ウィショー
ビル・タナー(ロリー・キニア)

あらすじ
MI6への恨みを抱く最強の敵を前に、絶体絶命の窮地に追い込まれるジェームズ・ボンドとその上司Mが辿る衝撃の運命を、迫力のアクションとともにスリリングに描く。共演はジュディ・デンチハビエル・バルデム。監督は「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデスNATOが世界中に送り込んでいるスパイのリストが盗まれる緊急事態が発生。英国の諜報機関MI6“007”ことジェームズ・ボンドは、リストを取り戻すべくMの指示に従い、敵のエージェントを追い詰めていく。その後、今度はMI6本部が爆破され、一連の犯行がMに恨みを持つ男シルヴァによるものと判明するが…。

出典:007/スカイフォールのDVD・ブルーレイ - TSUTAYA/ツタヤ [T-SITE]

過去2作品『007 カジノ・ロワイヤル』『007 慰めの報酬』のジェームス・ボンドは007になりたての若かりし頃の話だったのに対して、『007 スカイフォール』は引退も考えるベテランのジェームス・ボンドの話になる。過去2作品は、若さ故の詰めの甘さがあって未熟な印象を受けたが、今作はかつての若々しさも消え失せ、完全に老いてしまい、いろいろな面でガタがきてるのがまる分かり。さらにアルコール依存に薬物依存と笑えないほどボロボロになってて逆に笑ってしまう。

しかし、そのボロボロなジェームス・ボンドに魅力を感じた。老いた渋いオッサンが個人的に好きなのもあるかもしれない。くたびれた雰囲気がたまらん。当て付けのようにMI6の若い科学者Qという人物も登場して、より老いぼれに見えるのもさらに良し。

老いぼれを繰り返しているけど、アクションシーンは健在。相変わらず屋根の上を縦横無尽に駆けまわったりしてる。こいつら、いつも人の家の屋根ぶっ壊してんなと。お馴染みの冒頭のチェイスの後にオープニングが始まる。そのオープニングが最高にかっこいい。アデルの「スカイフォール」と映像、両方共とにかく最高。観終わって、オープニングだけ何回か観直してしまいました。

スカイフォール

スカイフォール

 

悪役が魅力的なのも良かった。『007 カジノ・ロワイヤル』のル・シッフル(マッツ・ミケルセン)は襲われると結構あたふたしちゃってたし、『007 慰めの報酬』のドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)はやってることはひどいんだけど、小悪党感が拭えない。今回の敵のラウル・シルヴァ(ハビエル・バルデム)は、何を考えてるのかわからない不気味さと、自分のやりたいことなら何でも実現させてしまうんじゃないかという恐ろしさがある。経歴も元MI6のエージェントでMの部下、そしてMに並々ならぬ恨みを抱いてる。敵としてはかなりくる設定。

とにかく盛りだくさんの映画で、ボンドの自分の老いに対する葛藤、MI6本部襲撃、ボスであるMの危機、ボンドの実家訪問、マザコン同士による熾烈な闘い。見所がありすぎる。重厚な雰囲気の中にユーモア、アクションが気持良く絶妙に混ざり合って、非常に美味しくいただけた。丼飯3杯いける場面が多々。

『007 カジノ・ロワイヤル』『007 慰めの報酬』を観てなくても楽しめるので、『007 スカイフォール』だけ観てもよし。世界で興行収入1000億以上稼いじゃうのも納得の作品だった。